しんけいばいどく

神経梅毒

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

神経梅毒とは、梅毒という「トレポネーマ・パリダム」という細長いらせん状の細菌により中枢神経に病変や諸症状をきたす病気のことです。神経梅毒のうち、第2期に生じたものは早期神経梅毒と呼ばれ、晩期(第4期)に生じたものとは区別されます。

神経梅毒では髄膜炎を併発することがあるほか、進行麻痺や脊髄癆などが出現します。治療は、ペニシリンを使用するなど梅毒に準じます。

原因

神経梅毒は、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)が中枢神経に入り込むことで発症します。梅毒の症状は第1期~第4期に分類されており、これまで神経症状は晩期に出現するものと考えられていました。しかし、病原体に感染直後から中枢神経に侵入、諸症状をひきおこす場合もあることがわかりました。

また、HIV陽性の方がトレポネーマ・パリダムに感染して、早期の段階で神経梅毒へと移行した例も確認されています。

症状

神経梅毒は、無症候性、血管型神経型、実質型に分類できます。無症候性とは病原体の感染が成立しているものの症状が出ていない状態を指すため、ここでは残り2種類について解説します。

髄膜血管型神経梅毒

髄膜血管型神経梅毒の中でも、髄膜炎症状はバラ疹と呼ばれる梅毒特有の皮膚症状を伴うことが多いです。髄膜炎を発症すると、頭痛や吐き気、意識障害などの症状が出現します。

また、視力障害(ブドウ膜炎に伴うかすみ目など)や顔面神経障害、聴力障害なども伴うことがあります。髄液の流れも障害を受けるようになるため、水頭症を発症することもあります。

また、神経梅毒では血管障害も伴うようになります。血管障害が進行すると性格の変化、頭痛の出現や悪化などの症状のほか、脳梗塞などを発症することもあります。

実質型

初期感染から10年ほど経過すると、進行麻痺と脊髄癆(せきずいろう)と呼ばれる症状が出現します。進行麻痺とは梅毒特有の神経障害で、忘れっぽさ、性格変容、感覚異常などをきたすようになります。

脊髄癆とは、梅毒の病原体によって脊髄の一部が変性することで、歩行障害や感覚障害、排尿障害、関節に変形などを呈するようになります。

検査・診断

神経梅毒が疑われる場合、病変から直接菌を検出する方法、もしくは血清学的検査を実施します。

治療

神経梅毒では、主にペニシリンによる治療が行われます。ペニシリンを10〜14日投与するほか、薬効性を高めるためにプロベネシドと呼ばれる痛風治療薬を使用して、ペニシリン排出量を減少させることもあります。ペニシリン・アレルギーを持つ方の治療に際しては塩酸ミノサイクリンやセフトリアキソン、ドキシサイクリンなどを使用します。

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